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江草 茂則; 岩沢 直純*
J. Reinf. Plast. Compos., 15, p.806 - 817, 1996/08
被引用回数:20 パーセンタイル:64.2(Materials Science, Composites)チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)のセラミックス微粉末とエポキシ樹脂からなる圧電性塗料は、構造材料と一体化した振動センサ及び亀裂センサとしての将来性を有している。この圧電性塗料を従来の構造材料の表面に塗布することにより、その構造材料に異常振動や微小亀裂の発生・蓄積に対する自己診断機能(ヘルスモニタリング機能)を付与することができる。本論文では、先ず、そのような機能を有する圧電性塗料の作成方法、亀裂センサとしての感度の評価方法、及び、その感度に及ぼす膜厚の影響について報告する。次に、この塗膜の電流-電圧特性の膜厚依存性に対する測定結果を報告し、この電流-電圧特性が塗膜の亀裂センサとしての感度を事実上決定するという事実、及び、そのメカニズムについて報告する。
江草 茂則; 岩沢 直純*
Journal of Applied Physics, 78(10), p.6060 - 6070, 1995/11
被引用回数:22 パーセンタイル:72.26(Physics, Applied)チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)のセラミック微粉末とエポキシ樹脂から成る塗膜の分極挙動(圧電定数の分極電解依存性)の膜厚依存性を調べた結果、一定の分極電解下において得られる圧電定数は25~300mの範囲において膜厚の増加とともに増加することが見い出された。一方、この塗膜の電流-電圧特性の膜厚依存性を調べた結果、~150m以上の厚い膜厚領域ではオーム則電導が支配的であるが、~100m以下の薄い膜厚領域では空間電荷制限電導が支配的になることが見い出された。さらに、この空間電荷は、塗膜中のPZT相とエポキシ相の界面に蓄積されることが示された。この空間電荷の影響とPZT相に作用する分極電界の強度分布を考慮に入れてモデル化を行ったところ、塗膜の圧電定数の分極電界依存性と膜厚依存性とを同時に記述できる数式を導くことができた。